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ブライアン・クランストン主演、イヴォ・ヴァン・ホーヴェ演出! シドニー・ルメットの『ネットワーク』がロンドンで舞台化!

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『ブレイキング・バッド』(Breaking Bad)や『トランボ ハリウッドに最も嫌われた男』(Trumboのブライアン・クランストンが、1976年の映画『ネットワーク』(Network)の舞台化でロンドン舞台デビューすることが決定した。

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Bryan Cranston

シドニー・ルメットが監督した『ネットワーク』は、アメリカのネットワークテレビ局で働くテレビ業界人たちが、視聴率を稼ぐために狂騒する様を描き、ニュースとエンターテインメントの境界線が消えていく様子を痛烈に風刺した映画。

視聴率の低下に悩むニュース番組のアンカー、ハワード・ビール(ピーター・フィンチ)が解雇を通告され、生放送中に翌週公開自殺すると予告するが、それをきっかけにビールが一大センセーションとなったため、ネットワーク側は彼を中心に据えてエンターテインメント番組を作る、という物語だ。

フェイ・ダナウェイとウィリアム・ホールデン、ロバート・デュヴァルらが出演し、4部門でアカデミー賞を受賞したこの映画は、ビールが熱情的に大声を張り上げ、テレビカメラの前で「私はとんでもなく怒っている。もうこれ以上我慢できない!」(I’m as mad as hell, and I’m not going to take this anymore!)と何度も叫び、テレビを見ている多くの視聴者達もビールにならって窓を開けて同じく声をはりあげるというシーンが特に有名だ。

クランストンは、映画でピーター・フィンチが演じたこのハワード・ビール役を演じる。オスカーノミネートの直後に亡くなったフィンチが、死後に開催された授賞式で主演男優賞を受賞した役だ。

映画『リトル・ダンサー』(Billy Elliott)とその舞台ミュージカル版の脚本で知られるリー・ホールが、パディ・チャイエフスキーがアカデミー賞を受賞した脚本を舞台用に脚色する。

ロンドンのNational Theatreでワールドプレミアとなる今回の舞台化を演出するのは、2016年にブロードウェイで上演された『橋からの眺め』(A View from the Bridge)でトニー賞を受賞した鬼才の演出家イヴォ・ヴァン・ホーヴェ。

ホーヴェはこれまでにもクラッシック映画の舞台化の演出を手掛けており、イングマール・ベルイマンの『ある結婚の風景』(Scenes From a Marriage)や『叫びとささやき』(Cries and Whispers)、ジョン・カサヴェテスの『オープニング・ナイト』(Opening Night)や『フェイシズ』(Faces)、ルキノ・ヴィスコンティの『若者のすべて』(Rocco e i suoi fratelli)、ピエル・パオロ・パゾリーニの『テオレマ』(Teorema)などの作品を上演した。また、現在Nationalで上演中のルース・ウィルソン(The Affair『アフェア 情事の行方』)とレイフ・スポール主演のイプセンの『ヘッダ・ガブラー』(Hedda Gabler)を演出し、4月19日から5月20日の予定でロンドンのBarbicanで上演されるヴィスコンティの『郵便配達は二度ベルを鳴らす』(Obsession)をジュード・ロウ主演で演出する予定だ。

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Ivo van Hove

主演のクランストンは、2014年にブロードウェイで上演されたロバート・シェンカンの政治劇All the Way『オール・ザ・ウェイ(原題)』でリンドン・ジョンソン大統領を演じ、トニー賞の主演男優賞を受賞した。『オール・ザ・ウェイ(原題)』は昨年HBOのTV映画になり、クランストンはこの役の演技で先日SAG Awardsを受賞したばかり。

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Bryan Cranston

Top Photo: Peter Finch as Howard Beale in Network

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