2014年秋にブロードウェイでオープン予定の注目作品

オープンラッシュが春と秋の年に二回訪れるブロードウェイでは、これから秋に向けて新しいプロダクションが続々とオープンする。

そのラインナップを見ていると、有名俳優が出演する作品がとても多い。

ヒュー・ジャックマン、ブラッドリー・クーパー、マイケル・セラ、グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、ミア・ファロー、キャンディス・バーゲン、マーティン・シーン、アンジェリカ・ヒューストン、ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、ルパート・グリント等々。

その人が出演するというだけでチケットが飛ぶように売れること間違い無しの有名俳優に、舞台での芝居に定評のあるブロードウェイの常連俳優、久しぶりの舞台復帰となる俳優や、これからブロードウェイデビューを果たす俳優もいる。

来年はジェイク・ジレンホールや渡辺謙のデビューも控えている。

芸術の秋もすぐそこ。映画やTVでおなじみの俳優達の芝居を生で見てみるのはいかがだろう?

ということで、年内オープン予定作品のうち、有名俳優が出演する作品やその他の注目作品をざっとまとめてみた。(以下、オープン予定日順)


This Is Our Youth

this_is_our_youth1982年のマンハッタン。

アッパーウエストサイドにあるアパートの一室を舞台に、3人のティーンエイジャーの48時間を描いたケネス・ロナーガン作のダークコメディドラマ。

1996年初演のこの作品は、若い俳優たちの初舞台作品として選ばれることが多いのだが、今回のリバイバルには映画『JUNO/ジュノ』のマイケル・セラ、『17歳の処方箋(原題 Igby Goes Down)』のキーラン・カルキンが出演する。カルキンはロンドンのウエストエンドでもこの作品に出演し、2012年にはシドニーでセラとこの作品で共演している。

今回のプロダクションは、シカゴの劇団ステッペンウルフのプロデュース。二人のブロードウェイデビューとなる作品だ。

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Michael Cera and Kieran Culkin in “This Is Our Youth” at Steppenwolf Theatre Company, Photo by Michael Brosilow
オープン:2014年9月11日オープン予定(8月18日プレビュー開始)
終演:2015年1月4日までの限定公演
出演:マイケル・セラ、キーラン・カルキン、タヴィ・ジェヴィンソン
ジャンル:コメディドラマ
劇場:Cort Theatre(138 West 48th Street)
オフィシャルサイト

Love Letters

Love Letters
二人の友人が50年にわたってやりとりした書簡で描かれたドラマ。

1989年にオフブロードウェイで上演され、その後ブロードウェイにトランスファーされた芝居で、1990年のピュリッツァー賞のファイナリストにもなった。

今回のプロダクションは主役を演じる俳優2人が数週間ごとに変えて上演する。

組み合わせはブライアン・デネヒーがミア・ファローとキャロル・バーネットの2人とそれぞれ組む他、アラン・アルダはキャンディス・バーゲンと、ステイシー・キーチはダイアナ・リッグと、マーティン・シーンはアンジェリカ・ヒューストンと組む。

個人的には生芝居を見るチャンスはなるべく逃したくないブライアン・デネヒーの回と、芸達者なアラン・アルダの回、久しぶりに名前を聞くアンジェリカ・ヒューストンの回がそれぞれ気になる。

オープン:2014年9月18日予定(9月13日プレビュー開始)
終演:2015年2月1日までの限定公演
出演:9月13日〜10月10日ブライアン・デネヒー&ミア・ファロー、10月11日〜11月7日ブライアン・デネヒー&キャロル・バーネット、11月8日〜12月5日アラン・アルダ&キャンディス・バーゲン、12月6日〜1月9日ステイシー・キーチ&ダイアナ・リッグ、1月10日〜2月1日アンジェリカ・ヒューストン&マーティン・シーン
ジャンル:コメディドラマ
劇場:Lyric Theatre(213 West 42nd Street)
オフィシャルサイト

You Can’t Take It With You

You Can't Take It With Youモス・ハートとジョージ・S・カウフマン作のピュリッツァー賞受賞作品のリバイバル。

1938年に映画化されたフランク・キャプラ監督作品は、アカデミー賞作品賞と監督賞を受賞した(映画の邦題は『我が家の楽園』)。

ブロードウェイでは29年ぶりのリバイバルとなる。

出演するのはブロードウェイの常連、ジェイムズ・アール・ジョーンズに、テレビドラマ『ダメージ』や映画『ブライズメイズ 史上最悪のウエディングプラン』のローズ・バーン(ブロードウェイデビュー)、ブロードウェイではおなじみの『Masters of Sex』のアナリー・アシュフォード。

オープン:2014年9月28日予定(8月26日プレビュー開始)
終演:2015年1月4日までの限定公演
出演:ジェイムズ・アール・ジョーンズ、ローズ・バーン、エリザベス・アシュリー、アナリー・アシュフォード
ジャンル:コメディ
劇場:Longacre Theatre(220 West 48th Street)
オフィシャルサイト

The Country House

The Country Houseピュリッツァー受賞劇作家のドナルド・マーグリーズの新作。

マーグリーズがチェーホフ作品(特に「かもめ」と「ワーニャ伯父さん」)からインスパイアされて書いたという意欲作だ。

出演はブロードウェイの常連のブライス・ダナー。映画『ミート・ザ・ペアレンツ』シリーズの母親役として知られるが、むしろグウィネス・パルトロウの母親と紹介する方がピンと来るかもしれない。

ダナーが演じるのは「かもめ」に登場する大女優の母親アルカージナがモデルのアンナ・パターソン。

『かもめ』のコスチャに当たる息子役を演じるのは、テレビドラマ『The Bridge』のエリック・ランジ。

昔のTVシリーズ『俺がハマーだ!(原題:Sledge Hammer!)』で有名なデイヴィッド・ラシーも出演する。

LAでのトライアウトを見る限り、この作品がチェーホフ作品の域に達しているとはとても言いがたかったが、ブロードウェイでどう変わるのかが気になるところ。

The Country House
Sarah Steele, Eric Lange, Blythe Danner at Geffen Playhouse, Photo by Michael Lamont
オープン:2014年10月2日予定(9月9日プレビュー開始)
終演:12月9日までの限定公演
出演:ブライス・ダナー、エリック・ランジ、デイヴィッド・ラシー
ジャンル:コメディドラマ
劇場:Samuel J. Friedman Theatre(261 West 47th Street)
オフィシャルサイト

The Curious Incident of the Dog in the Night-Time

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マーク・ハッドンが2003年に発表した小説『夜中に犬に起こった奇妙な事件』を原作にした芝居。

15歳の少年が、近所の飼い犬に起こった酷い事件の犯人として疑われ、自ら真犯人を探し出そうとするミステリーで、ロンドンのロイヤル・ナショナル・シアターが舞台化し、2013年に英国でオリビエ賞を7部門受賞した作品のブロードウェイプレミアだ。

演出は『War Horse』でトニー賞を受賞したマリアンヌ・エリオット。

評判が良い舞台作品だけに、期待値が上がる。
見逃したくない作品の一つだ。

The Curious Incident of the Dog in the Night Time
Original West End Cast, Photo by Brinkoff and Mogenburg
オープン:2014年10月5日予定(9月10日プレビュー開始)
出演:アレクサンダー・シャープ、イアン・バーフォード、フランチェスカ・ファリダニー
ジャンル:ドラマ
劇場:American Airlines Theatre(227 West 42nd Street)
オフィシャルサイト

It’s Only a Play

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ブロードウェイの観客に愛されている手練のネイサン・レインが、相性の良いマシュー・ブロデリックとまたもや共演するコメディ。

過去にオフオフ、オフで上映されたテレンス・マクナリーの作品で、ブロードウェイの内幕ものだ。

今回がこの芝居のブロードウェイプレミアとなる。

その他の出演者は、F・マリー・エイブラハム(『アマデウス』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス名も無き男の歌』)、ストッカード・チャニング(映画『私に近い6人の他人(原題:Six Degrees of Separation)』、TVシリーズ『ザ・ホワイトハウス』)メーガン・ムラリー(『Will & Grace』)、ルパート・グリント(『ハリー・ポッター』シリーズ、ブロードウェイデビュー)等々、映画やTVでおなじみ俳優が名を連ねる。

オープン:2014年10月9日予定(8月28日プレビュー開始)
終演:2015年1月4日までの限定公演
出演:ネイサン・レイン、マシュー・ブロデリック、F・マリー・エイブラハム、ストッカード・チャニング、メーガン・ムラリー、ルパート・グリント
ジャンル:コメディ
劇場:Gerald Schoenfeld Theatre(236 West 45th Street)
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On the Town

On The Town
ジーン・ケリー、フランク・シナトラ、ジュールス・マンシン主演の1949年のクラッシックミュージカル映画『踊る大紐育』の元となったミュージカルだ。

レナード・バーンスタインの名曲とジェローム・ロビンスの名振付が有名なミュージカルのリバイバルで、昨年のマサチューセッツ州ピッツバーグでのトライアウトの評判がとても良かった作品だ。

演出はジョン・ランドー。

彼が演出した2008年上演のコンサートバージョンも楽しい仕上がりで、今シーズン注目が集まる作品の一つだ。

 

オープン:2014年10月16日予定(9月20日プレビュー開始)
出演:トニー・ヤズベック、ジェイ・アームストロング・ジョンソン、クライド・アルヴス
ジャンル:ミュージカル
劇場:Lyric Theatre(213 West 42nd Street)
オフィシャルサイト

The Last Ship

The Last Ship
ロックスター、スティングの子ども時代の経験を元に作られた新作ミュージカル。

曲と歌詞はスティング自身が書いた、彼にとってはパーソナルな作品だ。

スティングは昨年同タイトルのアルバムもリリースしており、ミュージカルではスティングの美しく悲しい曲を2時間半たっぷり聞けるはずだ(但し、歌うのはもちろんミュージカルのキャスト達)。

プレビュー期間中に見に行くと、劇場で観客の反応をチェックしに来ているスティングに会える可能性があるかもしれない。おそらく。

 

 

The Last Ship
Cast of The Last Ship at Bank of America Theater in Chicago, Photo by Joan Marcus
オープン:2014年10月26日予定
出演:マイケル・エスパー、レイチェル・タッカー
ジャンル:ミュージカル
劇場:Neil Simon Theatre(250 West 52nd Street)
オフィシャルサイト

The Real Thing

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ロンドンの舞台でも活躍するユアン・マクレガー(映画『スター・ウォーズ』シリーズ)がブロードウェイデビューに選んだのは、劇作家トム・ストッパード作品の中でも最も素晴らしい作品として名前が上がる1982年の芝居。

劇中劇が有名な作品だ。

共演はマギー・ジレンホール(映画『ダークナイト』『クレイジー・ハート』)とシンシア・ニクソン(TVシリーズ『セックス・アンド・ザ・シティ』『ハンニバル』)。

ジレンホールにとってもこれがブロードウェイデビューとなる。

ニクソンは1982年の初演時に別の役でこの作品に出演した。ちなみに、今回ジレンホールが演じる役を初演時に演じてトニー賞を受賞したのがグレン・クローズ。

The Real Thing
Ewan McGregor and Maggie Gyllenhaal, Photo by Richard Phibbs
オープン:2014年10月30日予定(10月2日プレビュー開始)
終演:2015年1月4日までの限定公演
出演:ユアン・マクレガー、マギー・ジレンホール、シンシア・ニクソン
ジャンル:コメディドラマ
劇場:Ethel Barrymore Theatre(243 West 47th Street)
オフィシャルサイト

The River

The River
泣く子も黙るウルバリンこと、ヒュー・ジャックマンがブロードウェイに帰って来る。

今回出演する作品は、映画『Edge of Tomorrow(邦題:オール・ユー・ニード・イズ・キル)』や『Get On Up』の脚本で知られる脚本家/劇作家ジェズ・バターワースの2012年の芝居。これがブロードウェイプレミアとなる。

ヒュー・ジャックマンのファンに朗報なのは、上演される劇場がブロードウェイの劇場の中でも特に客席と舞台とが近い、Circle in the Square Theatreだということ。

この劇場は客席が舞台を三方から取り囲む作りになっており、客席の奥行きも浅い。舞台正面は10列、左右は7列しかないので、例え最後列に座ったとしても、生ジャックマンを至近距離で見られるはずだ。

唯一の問題は、チケットの入手はおそらく困難だろう、ということか?

オープン:2014年11月16日予定(10月31日プレビュー開始)
終演:2015年1月25日までの限定公演
出演:ヒュー・ジャックマン
劇場:Circle in the Square Theatre(235 West 50th Street)
オフィシャルサイト

A Delicate Balance

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長年連れ添った夫婦の元に、突然の客人が訪ねて来る。彼らをどうすれば良いのか?

エドワード・オルビーのピュリッツァー賞受賞作品のリバイバルで夫婦を演じるのは、グレン・クローズ(『危険な情事』TVドラマ『ダメージ』)とジョン・リスゴー(『愛と追憶の日々』『猿の惑星:創世記』)。

クローズもリスゴーも、ストレートプレイ、ミュージカルの両方でブロードウェイの舞台に立ち、両部門でトニー賞を受賞した舞台役者だ。

リスゴーは近年もブロードウェイに出演していたが、クローズにとっては今回の出演がアンドリュー・ロイド・ウェーバーのミュージカル『サンセット大通り』以来、約20年ぶりのブロードウェイとなる。

二人は、先日亡くなったロビン・ウィリアムズと映画『ガープの世界』で共演し、二人ともアカデミー賞にノミネートされた。この二人が演じるオルビーの夫婦は是非見てみたい。

オープン:2014年11月20日予定(10月20日プレビュー開始)
終演:2015年2月22日までの限定公演
出演:グレン・クローズ、ジョン・リスゴー、リンジー・ダンカン、ボブ・バラバン、クレア・ヒギンズ、マーサ・ピンプルトン
劇場:John Golden Theatre(252 West 45th Street)
オフィシャルサイト

The Elephant Man

The Elephant Man Poster
2012年にウィリアムズタウン・シアター・フェスティバルで評判が高かった作品のブロードウェイ公演。

デイビッド・リンチの映画化が有名なバーナード・ポメランスの戯曲をスコット・エリスが演出。

主要キャストはフェスティバル時と同じく、ジョン・メリック役にブラッドリー・クーパー(『アメリカン・ハッスル』『ハングオーバー』シリーズ)、ケンドール夫人をパトリシア・クラークソン(『グリーンマイル』『エイプリルの七面鳥』)、外科医のトリーブズをアレッサンドロ・ニヴォラが演じる。

クーパーにとっては8年ぶりのブロードウェイ出演。ちなみに、前回は2006年にジュリア・ロバーツと共演した『スリー・デイズ・オブ・レイン』。その舞台でクーパーは、ハリウッドの大スター、ジュリア・ロバーツよりも輝きを放っていたので、こちらも期待が高まる。

The Elephant Man
Elephant Man at Williamstown Theatre Festival Photograph © T Charles Erickson
オープン:2014年12月7日予定(11月7日プレビュー開始)
終演:2015年2月15日までの限定公演
出演:ブラッドリー・クーパー、パトリシア・クラークソン、アレッサンドロ・ニヴォラ
ジャンル:ドラマ
劇場:Booth Theatre(222 West 45th Street)
オフィシャルサイト

 

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