今年の春、ネイサン・レインとアンドリュー・ガーフィールドが出演し、ロンドンのNational Theatreでリバイバル上演されたトニー・クシュナーの『エンジェルス・イン・アメリカ』(Angels in America)が、来春ブロードウェイにトランスファーされることが決定した。
2018年2月23日プレビュー開始、3月21日オープンの予定で、現在ミュージカル『キャッツ』( Cats )が上演されている Neil Simon Theatre にて18週間限定の公演となる。
クシュナーのピューリッツァー賞受賞作『エンジェルス・イン・アメリカ』は、1980年代、エイズが同性愛者だけがかかる病気だと信じられていた時代のニューヨークを舞台に、エイズや同性愛について深く考査した複雑で隠喩的な作品。ピューリッツァー賞の他、トニー賞やドラマ・デスク・アワードを受賞し、HBOによってテレビミニシリーズにもなった。
芝居はパート1とパート2にわかれる2部式で、上演時間はパート1が約3時間半、パート2が約4時間15分という大作だ。
今回ブロードウェイへのトランスファーが決まったNationalのプロダクションは、『夜中に犬に起こった奇妙な事件』(The Curious Incident of the Dog in the Night-time)や 『戦火の馬』(War Horse)のマリアン・エリオットの演出。トニー賞を2度受賞しているレインがロイ・コーン役を演じ、ガーフィールドがプライアー・ウォルター役を演じた。

Photo by Helen Maybanks
ブロードウェイへのトランスファーでは、レインやガーフィールドの他、オリヴィエ賞受賞者のデニース・ゴフ、ジェイムズ・マクアードル、スーザン・ブラウン、ネイサン・スチュワート=ジャレット、アマンダ・ローレンスら、ロンドンの主要キャスト8名のうち7名がブロードウェイでも同じ役を演じる予定だが、ラッセル・トーヴィーはテレビの撮影のためにブロードウェイには出演できず、トーヴィーが演じたジョー・ピット役は別の役者が演じる。
National のプロダクションは今年の4月11日にLyttelton Theatreにてプレビュー公演がスタートし、5月4日にオープン、8月19日まで上演された。また、7月にはNational Theatre Liveのプログラムとして、一部の映画館でも上映された。
『エンジェルス・イン・アメリカ』は、ニューヨークでは2010年にオフ・ブロードウェイで上演されたが、ブロードウェイでの上演は1993年の初演以来となる。
Top Photo: Andrew Garfield (Prior) in Angels in America – Millennium Approaches
Photo by Helen Maybanks