Netflixのドキュメンタリーシリーズ『殺人者への道』で描かれたブレンダン・ダーシーの有罪判決、覆される

ウィスコンシン州の連邦判事が金曜日、2007年に強姦殺人の罪で有罪となったブレンダン・ダーシーの判決を覆した。

ダーシーは、2005年にウィスコンシン州マニトワック郡で起こった当時25歳のフォトグラファー、テレサ・ホールバック殺害事件で、叔父スティーヴン・エイヴリーの共犯者として逮捕、起訴され、第一級殺人、強姦、及び死体損壊の罪で有罪判決を言い渡されて終身刑となっていた。

この事件の裁判を追ったNetflixのドキュメンタリーシリーズ『殺人者への道』(Making A Murderer)は2015年12月に公開直後から全米で話題となり、エイヴリーとダーシーへの恩赦をホワイトハウスに求める署名活動が行われ、20万以上の署名を集めるという社会現象を巻き起こした。

今回の決定は、当時16歳だったダーシーが弁護人や保護者の同席なく警察の取調べを受け、自白したことから、弁護人の弁護方法と自白の信用性に大きな問題があったとして、合衆国憲法修正第6条で保障されている弁護人の援助を受ける権利と、同第5条で保障されている自己に不利益な証言を強制されない権利を奪われたことを根拠に、ダーシー側が申し立てていた人身保護令状申立に対して出されたもの。前者は否定されたものの、後者が同第5条と14条を根拠に認められた。

ダーシーは、州が90日以内に新たな訴訟手続きをとらない限り釈放される。

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Brendan Dassey in Making A Murderer © Netflix

ドキュメンタリーはブレンダンの叔父、エイヴリーが有罪かどうかについても疑問を投げかけているが、今回の決定はエイヴリーの有罪判決には影響がない。

『殺人者への道』を監督したクリエイターのローラ・リッチャルディとモイラ・ディーモスは、今回の決定の後、以下の声明を出した。

「今日、私たちが追いかけるストーリーに大きな展開がありました。この新しいニュースは刑事司法制度が動いていることを示しています。私たちが過去10年間やり続けてきたように、今後もこのストーリーがどのように展開するかを追い続け、それが導いていく先を追いかけていくつもりです。」

“Today there was a major development for the subjects in our story and this recent news shows the criminal justice system at work. As we have done for the past 10 years, we will continue to document the story as it unfolds, and follow it wherever it may lead.”

Netflixはさき頃、『殺人者への道』のシーズン2を発表したばかり。