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“I don’t like you because you’re dangerous.” 

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Val Kilmer as Iceman in Top Gun (1986)

「お前は危険だから嫌いだ。」

1986年に公開されたトム・クルーズ主演、トニー・スコット監督のアクションドラマ映画『トップガン』は、公開当時批評家の評価は分かれたものの、その年の全米および全世界の興行成績トップに輝き大ヒットした。

アメリカ海軍に所属するパイロットのピート・”マーヴェリック”・ミッチェル中尉(トム・クルーズ)は、直感的な操縦の才能はあるが、勝つためには規律やチームワークを軽んじる無鉄砲なところがあった。対照的にその相棒のニック・”グース”・ブラッドショー中尉(アンソニー・エドワーズ)は穏やかで陽気なレーダー要員だった。

この二人がある事件をきっかけにアメリカ海軍戦闘機兵器学校、通称「トップガン」で訓練を受けることになる。トップ・ガンでトップと目されていたのはアイスマンことトム・カザンスキー(ヴァル・キルマー)で、マーヴェリックはアイスマンをライバル視していた。

ある訓練の最中、マーヴェリックは自機のウィングマンとして飛行していた”ハリウッド”を置き去りにして飛行教官のヴァイパーが操縦する機を追いかける。マーヴェリックはハリウッドを見捨てたことで叱責され、アイスマンにも「お前はみんなのトラブルだ。お前が空に上がるたびに危険だからだ。」(“You’re everyone’s problem. That’s because every time you go up in the air, you’re unsafe.“) と言われる。そして続くのがこの名セリフだ。

「お前は危険だから嫌いだ。」(”I don’t like you because you’re dangerous.”)

マーヴェリックとアイスマンはトップガンのトロフィーを競い合う。その過程でマーヴェリックは大きな犠牲を払って大切なことを学んでいく。

この映画は36年後の2022年に続編『トップガン マーヴェリック』(原題:Top Gun: Maverick)が公開された。続編はトップガンを卒業して30年以上経過したマーヴェリックを描いているが、トップガンでライバル関係にあったアイスマンも海軍大将として登場する。

アイスマンを演じたヴァル・キルマーは2017年に喉頭がんを患っていることを公にしていたが、『トップガン マーヴェリック』撮影時には声を失っていたため、映画にはAI技術を利用した声が使われた。

キルマーは4月1日に亡くなり、『トップガン マーヴェリック』が遺作となった。

Val Kilmer as Iceman in Top Gun: Maverick (2022)
Val Kilmer in Top Gun: Maverick (2022)

『トップガン』
Top Gun (1986)
Rated: PG

監督:トニー・スコット
脚本:ジム・キャッシュ、ジャック・エップス・ジュニア
製作:ドン・シンプソン、ジェリー・ブラッカイマー
撮影:ジェフリー・L・キンボール
音楽:ハロルド・フォルターメイヤー、ジョルジォ・モロダー
編集:ビリー・ウェバー、クリス・レベンゾン
出演:トム・クルーズ、ヴァル・キルマー、アンソニー・エドワーズ、ケリー・マクギリス、メグ・ライアン、トム・スケリット、マイケル・アイアンサンド、ジョン・ストックウェル

US公開日:1986年5月16日
日本公開日:1986年12月6日

Top Image: Val Kilmer in Top Gun (1986) © Paramount Pictures

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