「ハロー、ゴージャス!」
バーブラ・ストライサンド主演、ウイリアム・ワイラー監督のミュージカル映画『ファニー・ガール』(Funny Girl)でストライサンドが最初に口にするセリフがこれ。
『ファニー・ガール』はコメディ女優でブロードウェイのスター、ファニー・ブライス(1891 – 1851)の半生を半伝記的に描いたミュージカルだ。元はブロードウェイで大ヒットした舞台ミュージカルで、こちらもストライサンドが主役を演じた。
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物語は、当時の伝統的な美人の基準には当てはまらないファニーが、美しいコーラスガールで有名な『ジークフェルド・フォーリーズ』の「ジークフェルド・ガール」の一人に選ばれ大スターになっていく過程と、プロのギャンブラーのニック・アーンスタインとの出会いと二人の波乱に満ちた関係に焦点を当てている。
この名セリフは映画のオープニングに登場する。既に大スターとしてその地位を確立したファニーが、『ジークフェルド・フォーリーズ』がかかっているブロードウェイの劇場のステージドアから劇場内に入り、ステージ脇にある鏡に映る自分を見つめながら言うのだが、ここでのストライサンドは台詞通りにまさにゴージャスそのもの。レパード柄の揃いのコートと帽子もエレガントだ。
たった2つの単語からなるシンプルなこのセリフは、ストライサンドがこの映画でオスカーの主演女優賞を受賞した時に自ら引用していた。
この年の主演女優賞は『冬のライオン』(The Lion in Winter)のキャサリン・ヘップバーンと『ファニー・ガール』のストライサンドが引き分けて二人とも受賞したのだが、授賞式を欠席したヘップバーンの代わりに代理の男性が簡単なスピーチをした後、マイクの前に立ったストライサンドは手にしたオスカー像を見つめながら「ハロー、ゴージャス!」と言って観客席を沸かせた。
多分このオスカーでのスピーチもこのセリフの人気に拍車をかけただろう。
映画『ファニー・ガール』は大ヒットし、1975年には続編の『ファニー・レディ』(Funny Lady)も作られた。
『ファニー・ガール』
Funny Girl (1968)
監督:ウィリアム・ワイラー
脚本:イソベル・レナート
原作:ブロードウェイ・ミュージカル『ファニー・ガール』(原題:Funny Girl)by ジェリー・スタイン(作曲)、ボブ・メリル(作詞)、イソベル・レナート(脚本)
製作:レイ・スターク
出演:バーブラ・ストライサンド、オマー・シャリフ、ウォルター・ピジョン、ケイ・メドフォード、アン・フランシス
Top Image: Barbra Streisand as Fanny Brice in “Funny Girl” (1968) © Columbia Pictures
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