石油王ゲッティの孫誘拐事件を描いた映画をリドリー・スコットが監督! 母親役はナタリー・ポートマンか!?

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Ridley Scott

1973年に起こった、石油王のジョン・ポール・ゲッティの孫誘拐事件を描いた映画’All the Money in the World‘ 『オール・ザ・マネー・イン・ザ・ワールド(原題)』をリドリー・スコットが監督することになった。Deadline Hollywoodが報じた。

All the Money in the World‘ の脚本は、まだ映画化されていない秀逸な脚本を集めたThe Blacklistに掲載されたデイビット・スカーパによるもの。

イタリアに滞在していた石油王の孫ジョン・ポール・ゲッティ三世がマフィアに誘拐され、多額の身代金を要求された1973年の誘拐事件を、息子を取り戻そうと必死に戦う母ゲイル・ハリスにフォーカスして描いたドラマだ。

当時16歳だったゲッティ少年は反抗的で自由奔放な生活を送っていたことから、彼が姿を消し、1700万ドルの身代金を要求する脅迫状が届いた当初は狂言誘拐ではないかと疑われた。だが誘拐が狂言ではないとわかり、すでに離婚していた少年の両親、父ゲッティ二世と母ゲイル・ハリスが石油王に身代金の支払いを乞う。しかし石油王ゲッティは、身代金を支払うと自分の孫14人全員に誘拐の危険が生じると支払いを拒否。その後、誘拐犯がゲティ三世の髪一房と右耳を送りつけてくるという事態に発展した。

結局、財布の紐が固いことで有名な石油王が息子とハリスに説得されて220万ドルを出し、また、息子に利息付きで70万ドルを貸与し、合計290万ドルの身代金が支払われて誘拐された少年が解放されることになるが、イタリアの洞穴の中で半年間鎖につながれて過酷な日々を過ごしたゲッティ三世は、その後この事件の痛手から完全に回復することはなく、麻薬の過剰摂取などを繰り返した。ゲッティ三世は2011年に54歳で亡くなっている。

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John Paul Getty III

All the Money in the World‘ は、ゲッティ二世と離婚し、義父の石油王ゲッティと確執があった母親のゲイル・ハリス役に焦点を当てており、一時はアンジェリーナ・ジョリーがこの役の候補にあがっていたが、スケジュールの関係でジョリーの出演は実現しなかった。現在スコットは『ジャッキー/ファーストレディ 最後の使命』(Jackie)で今年のアカデミー賞にノミネートされたナタリー・ポートマンに打診しているということだ。

制作会社はImperative Entertainmentで、リドリー・スコットが自身の制作会社Scott Freeの元、マーク・ハフマンとケヴィン・ウォルシュとともに製作する。また、Imperative Entertainmentのダン・フリードキンとブラッドリー・トーマス、クェンティン・カーティスとクリス・クラークも製作陣に加わる。配給は全世界的にソニーが扱う。

プロダクションは5月からイタリアで始まる。

なお、ゲッティの誘拐事件は現在FXもテレビシリーズを開発中だ。’Trust‘というタイトルのFXのドラマは『スラムドッグ$ミリオネア』(Slumdog Millionaire)のダニー・ボイルが演出する。