2016年のトニー賞受賞者シンシア・エリヴォが、19世紀半ばに活躍した奴隷解放家で女性解放家の人道主義者ハリエット・タブマンの伝記映画に主演する。Deadlineが報じた。
Harriet『ハリエット(原題)』というタイトルのこの映画は、黒人奴隷がアメリカ北部やカナダへ逃亡するのを助ける秘密結社、地下鉄道(アンダーグラウンド・レールロード)の女性指導者のひとりだったハリエット・タブマンを描いたもの。
自身も南部で奴隷だったタブマンは、南北戦争中は北軍のスパイを務め、戦後は女性参政権のために戦ったことでも知られているアメリカのヒーローだ。
女性に参政権が与えられてから100年の節目となる2020年に発行される新20ドル札では、現在の20ドル札の顔であり、ネイティブ・アメリカンの敵として物議を醸すアンドリュー・ジャクソン大統領を「裏」に押しのけ、女性として、またアフリカ系アメリカ人として初めて米国紙幣の顔となることが決まっている人物でもある。

そのタブマンを演じることになるエリヴォは、アリス・ウォーカーがピューリッツァー賞を受賞した小説『カラー・パープル』(The Color Purple)の舞台ミュージカル版リバイバルに主演。ロンドンのMenier Chocolate Factoryによるこのプロダクションはブロードウェイにトランスファーされ、昨年のトニー賞でミュージカル部門リバイバル作品賞を受賞、エリヴォも主演女優賞を受賞した。
このミュージカルのオリジナル・キャスト・レコーディングアルバムは、この週末に開催されるグラミー賞のミュージカル・シアター・アルバム賞にもノミネートされ、エリヴォはグラミー賞でパフォーマンスする予定だ。
またエリヴォは、スティーヴン・マックィーン監督のスリラー映画Widows『ウィドウズ(原題)』で、ヴァイオラ・デイヴィスや『ムーンライト』(Moonlight)のアンドレ・ホランドと共演も決まっている。
Embed from Getty ImagesCynthia Erivo
タブマンの物語は過去にも映像化されており、1978年にはマーシー・ハイディッシュの小説”A Woman Called Moses“をもとにシシリー・タイソン主演でテレビのミニシリーズになった。また、ケイト・クリフォード・ラーソンの本”Bound for the Promised Land: Harriet Tubman: Portrait of an American Hero”をもとにした企画を現在ヴァイオラ・デイヴィスがHBOで開発中だ。
映画Harriet『ハリエット(原題)』は、『タイタンズを忘れない』(Remember The Titans)の脚本家として知られるグレゴリー・アレン・ハワードの脚本を、テレビドラマ『ホームランド』(Homeland)のセイス・マンが監督する予定。製作は、脚本のハワードと、デブラ・マーティン・チェイス (The Princess Diaries, Sparkle)、チャールズ・D・キング、ダニエラ・タプリン・ランドバーグ、キム・ロス。
Top Photo: The Color Purple by Matthew Murphy