第89回アカデミー賞授賞式の司会者がようやく決定した。
2003年から米ネットワークテレビ局ABCで深夜コメディトークショーJimmy Kimmel Live!『ジミー・キンメル・ライブ!(原題)』のホストを務めているコメディアンのジミー・キンメルが、来年2月26日にハリウッドのドルビー・シアターで開催されるオスカー授賞式の司会を務めることになった。
キンメルは過去にはアメリカン・ミュージック・アワードの司会を5回、プライムタイム・エミー賞の司会を2回務めているが、オスカーの司会はこれが初めてとなる。
キンメルはオスカーの司会を長年切望しており、ABCは過去にもキンメルを司会に推していたと言われているが、ようやくそれが実現した形だ。
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だが、その待望のオスカーの司会にもかかわらず、キンメルに与えられた準備期間は短い。
オスカーの司会者が12月に発表されるのは異例に遅く、近年は10月に発表されることが最も多かった(クリス・ロック、ニール・パトリック・ハリス、セス・マクファーレン)。9月(ジェイムズ・フランコとアンハサウェイ)や8月(エレン・デジェネレス)に発表された年もある。
今年は授賞式のプロデューサーとしてマイケル・デ・ルーカとジェニファー・トッドの名前が発表されたのも11月4日と例年になく遅く、そのため、通常なら数ヶ月かけて準備されるアカデミー賞授賞式も、キンメルとプロデューサー達に残された準備期間は12週間足らずしかない。
ABCは1950年代と1970年代の一時期を除きオスカー授賞式をテレビ放映してきており、今年8月には映画芸術科学アカデミー(Academy of Motion Picture Arts and Sciences)と契約を延長して2028年までの放映権を得たばかりだ。だが、近年授賞式の視聴率が低迷していることから、ABCはアカデミー側が担っている授賞式の制作にクリエイティブな発言権を得ようとしていた。
特に、クリス・ロックが司会を務めた今年の授賞式の視聴率が過去8年間で最も低かったことから、既にアカデミー側と契約延長交渉に入っていたABCは授賞式のプロデューサーと司会者の選択権等、さらに強い影響力を求めたとされている。
キンメルが今年9月に司会を務めたエミー賞は好評価を得たものの、視聴者数はこれまでで最低という結果に終わっていたが、ABCの親会社であるディズニーのベン・シャーウッドは、決定権はアカデミー側にあるとしながらもキンメルがアカデミー賞の司会を務めるために必要な一撃を持っていると述べ、キンメルを推奨していた。
また授賞式のプロデューサーのデ・ルーカとトッドは、11月、Variety誌のインタビューに対し、司会者候補の長いリストの中にキンメルの名前があることを認めていた。
オスカーのノミネーションは来年1月24日に発表され、2月26日の授賞式の様子は世界255か国と地域で中継される。
Photo © ABC