ディズニーが、ブロードウェイ・ミュージカルHamilton『ハミルトン(原題)』の演出家トーマス・カイルと、ラッパーで俳優、プロデューサーのアイス・キューブをリクルートし、チャールズ・ディケンズの『オリバー・ツイスト』(Oliver Twist)を現代版ミュージカルにする。The Hollywood Reporterが報じた。
今回の映画化は、これまで何度も映画化、テレビドラマ化され、舞台ミュージカル化もされて、さらにそれが映画化もされた『オリバー・ツイスト』のミュージカル映画化。ヒップ・ホップを含むジャンルを超えた音楽で味付けした現代風ミュージカルになるという。
その味付けを担当するのがアイス・キューブ。
Embed from Getty ImagesIce Cube
アイス・キューブは今回窃盗団の頭フェイギン役を演じることが決まっており、自身のプロダクション・カンパニーCube Visionの旗印の元、製作にも加わる。
監督はリン=マヌエル・ミランダのヒップ・ホップ・ミュージカル『ハミルトン』の演出で今年のトニー賞を受賞し、また、1月に米テレビ局のFOXで放送されたGrease: Live(『グリース:ライブ』)の演出で先月エミー賞を受賞したばかりのトーマス・カイル。
本作が映画監督デビューとなる。
Embed from Getty ImagesThomas Kail
プロデュサー陣は、映画『ドライヴ』(Drive)や『ブリッジ・オブ・スパイ』(Bridge of Spies)、ブロードウェイ・ミュージカル『ウィケッド』(Wicked)のプロデューサーとして知られるベテランのマーク・プラットと、アイス・キューブを含む数多くのスターのマネージメントを手がけたプロダクションカンパニーThe Firmの代表ジェフ・クワチネッツ。
ディケンズの名作『オリバー・ツイスト』は孤児オリバーの物語で、過酷な児童労働から逃げ出したオリバーが、窃盗団につかまって無理やり仲間にされ、暴力や殺人に満ちた様々な苦難に出逢いながらも立派に成長してやがて自分の出生の秘密を知るというお話。ディケンズが1837年から1839年に月刊で発表した長編小説だ。
一番直近の映画化は2005年のロマン・ポランスキー監督作品。今回アイス・キューブが演じるフェイギンをベン・キングズレーが演じた。
この小説のアダプテーションで最も有名なのは、1960年のライオネル・バートによる舞台ミュージカル版『オリバー!』(Oliver!)と、それを映画化した1968年のキャロル・リード監督映画『オリバー!』(Oliver!)。
舞台ミュージカルはロンドンで初演を迎えた後ブロードウェイでも上演され、以降何度もリバイバルされたクラッシック作品で、映画版はアカデミー賞の作品賞、監督賞を含む6冠に輝いている。
Photo: Oliver! © SONY Pictures