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グレイ・ガーデンズ(Grey Gardens): リトル・イーディ愛用のゴールドのブローチ

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Little Edie in Grey Gardens wearing a Brooch

1975年に公開されたメイズルス兄弟のドキュメンタリー映画『グレイ・ガーデンズ』(Grey Gardens)は、奇抜で独創的な装いに溢れている。

映画の舞台は、ニューヨークのイーストハンプトンにある「グレイ・ガーデンズ」と呼ばれるお屋敷。そこで暮らすのは、ケネディ家にゆかりのある、かつて裕福な社交界の女性だったビッグ・イーディと、その娘リトル・イーディだ。メイズルス兄弟は、荒れ果て、朽ちかけた屋敷で二人きりで暮らす母娘の風変わりな日常をカメラに収めた。

経済的に困窮し、自由に使えるお金がなくなったこの二人は、手元にある古い服をさまざまにアレンジして着ているのだが、そのアレンジが凡人とはちと違う。とくに、娘のリトル・イーディの着こなしがすばらしく斬新だ。

ウエストが入らなくなったスカートを上下逆さまにしてはき、余った布をひねったり結んだりして、脇は安全ピンで留めている。もともとウエストだった部分が裾になり、ウエストのジッパーはそのまま足元のスリットになっていたりする。

また、いつも頭に何かを巻きつけている。色とりどりのスカーフはもちろん、時にはそれがタオルだったり、セーターだったりする。

そして、必ずと言っていいほど登場するのが、花とリボンがあしらわれたゴールドのブローチ。

それを、頭のてっぺんや、あごの下や、耳元につけているのだ。

Little Edie in Grey Gardens wearing a Brooch
Still from Grey Gardens (1975), © The Criterion Collection
Still from Grey Gardens (1975), © The Criterion Collection
Little Edie in Grey Gardens wearing a Brooch
Still from Grey Gardens (1975), © The Criterion Collection

この映画を見たことがある人は、このブローチが強く印象に残ったはずだ。中には「あれと同じものが欲しい!」と思った人もいただろう。

そう強く思った人が実は確実に一人いた。というのも、写真からデザインを起こし、このブローチを再現してしまったファンがいたのだから!

カルト的な人気となったこのドキュメンタリー映画のファンの一人が作ったのは、真ちゅうに金メッキを施し、ホワイトトパーズがあしらわれたブローチ。

Grey Gardens Brooch

しかも、嬉しいことにこれを販売してくれている。

当然ながら、私も早速購入した。

実は、このGrey Gardensのファンが作ったブローチは、私のようなファンが喜んで買っているだけではない。後年の『Grey Gardens』関連作品の中で、リトル・イーディの衣装を再現するためにも使われているのだ。

2006年11月にブロードウェイでオープンした舞台ミュージカルGrey Gardensで使われていたのも、2009年公開の、ドリュー・バリモアとジェシカ・ラング主演映画『グレイ・ガーデンズ 追憶の館』で使われていたのもまさにこのブローチ。

Christine Ebersole as Little Edie in "Grey Gardens" Musical on Broadway
Christine Ebersole as Little Edie in “Grey Gardens” Musical on Broadway
Photo by Joan Marcus
Drew Barrymore as Little Edie in "Grey Gardens" (2009) ©︎ HBO Films
Still from Grey Gardens (2009), courtesy of HBO

いちファンが製作したこのブローチはそれほど喜ばれているのだが、実は、リトル・イーディのブローチはこれとは別にもう一種類存在する。

そして、こちらは色んな意味で「オリジナル」により近いブローチだ。

そのもう一つのブローチを販売しているのは Grey Gardens Collections というWebサイト。運営しているのはエヴァ・マリー・ビール(Eva Marie Beale)。

彼女は、リトル・イーディの甥にあたるブーヴィエ・ビール・ジュニア(Bouvier Beale Jr.)の妻だ。つまり、リトル・イーディから見れば義理の姪にあたる。(リトル・イーディには弟が二人いて、そのうちの一人がブーヴィエ・ビール。その息子がブーヴィエ・ビール・ジュニアで、リトル・イーディの甥。)

Grey Gardens Collectionsによると、このブローチは「Cast From the Original」と説明があるので、オリジナルから鋳型を取って製作されたレプリカということだろう。どうやら限りなく本物に近いリアルなレプリカということだ。

このブローチは、シルバーにイエローゴールドとローズゴールドのメッキを施し、キュービックジルコニアをあしらっている。

Grey Gardens Brooch

それがオンラインで販売されているのだ。(使ってる金属が違うので、ファンが作った最初のものよりお値段は高い。)

日本でも人気のリアリティ番組『プロジェクト・ランウェイ』(Project Runway) でジャッジを務めるファッション・エディターのニーナ・ガルシア(Nina Garcia)は、2008年に出版したファッション指南本、”The One Hundred: A Guide to the Pieces Every Stylish Woman Must Own”の中で、1975年の『グレイ・ガーデンズ』の公開は「ブローチの歴史の中でも最も素晴らしい瞬間のひとつ」と書いている。

たしかにその通りだ。ブローチは、頭のてっぺんにつけても、あごの下につけても、耳元につけても良い。それをリトル・イーディが教えてくれたのだから。

Little Edie in Grey Gardens wearing a Brooch
Still from Grey Gardens (1975), © The Criterion Collection

Amazon Japan 『The One Hundred: A Guide to the Pieces Every Stylish Woman Must Own』by Nina Garcia

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