「ワカンダよ、永遠なれ!」
マーヴェルのスーパーヒーロー映画『ブラックパンサー』は2018年に公開されるや世界を圧巻した。アメリカで史上最高の興行成績を記録しただけでなく、第91回アカデミー賞でスーパーヒーロー映画として史上初の作品賞にノミネートされた作品となる。
アフリカの奥地に数千年前、隕石が墜落する。その隕石に由来する希少金属資源ヴィブラニウムをめぐり、5つの部族が争っていた。そのうちの一人の戦士がその金属の作用で変化したハート型の特別なハーブを摂取したところ、超人的な能力を得て「ブラックパンサー」となる。ブラックパンサーはジャバリ族を除く4つの部族を統合して平和をもたらし、ワカンダという国家を形成する。以来ワカンダはヴィブラニウムを利用して高度に発達したテクノロジーを持つ高文明国家となるが、その資源と国を守るために他の世界からは存在を隠し、密かに繁栄してきた。1992年、ワカンダの王ティ・チャカが亡くなり、その息子で世継ぎのティ・チャラ(チャドウィック・ボーズマン)王子が王位に就くために戴冠の儀式の一つである5部族からの戦いの挑戦を受ける。他の部族が戦いを放棄する中、唯一ジャバリ族のリーダー、ムバク(ウィンストン・デューク)が王位を賭けた戦いに挑む。
この「ワカンダよ、永遠なれ!」というセリフは、ムバクとの戦いに勝利し、名実ともにワカンダの王となったティ・チャラが部族間の団結と繁栄の象徴として言うものだ。
このセリフを口にする時、ティ・チャラ王は拳を作った手を胸の前でクロスさせるが、この仕草がアメリカ手話ではハグを意味することもあってか、映画公開後に腕をクロスさせながら”Wakanda forever!” とセリフを言うのが観客たちの間で大流行し、団結を示す文化現象となった。
そのムーブメントがあまりにも大きく、また、ティ・チャラ王を演じたチャドウィック・ボーズマンが2020年に若くして亡くなってしまったこともあり、2022年に公開された続編はタイトルにこのセリフを使った『ブラックパンサー: ワカンダ・フォーエヴァー!』Black Panther: Wakanda Forever となったほどだ。
その『ブラックパンサー』Black Panther が今年の2月16日でアメリカ公開7周年を迎える。
『ブラックパンサー』
Black Panther (2018)
Rating: PG-13
監督:ライアン・クーグラー
脚本:ライアン・クーグラー、ジョー・ロバート・コール
製作:ケヴィン・ファイギ
撮影:レイチェル・モリソン
音楽:ルドウィグ・ゴランソン
出演:チャドウィグ・ボーズマン、マイケル・B・ジョーダン、ルピータ・ニョンゴ、ダナイ・グリラ、ダニエル・カルーヤ、マーティン・フリーマン、レティーシャ・ライト、ウィンストン・デューク、アンジェラ・バセット、フォレスト・ウィテカー、アンディ・サーキス
US公開日:2018年2月16日
日本公開日:2018年3月1日
Top Image: Screenshot from Black Panther © Disney

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