「おまえら死体を見に行きたいか?」
1986年のロブ・ライナー監督映画『スタンド・バイ・ミー』 Stand by Me は映画史上最高の青春映画の一つだ。原作はホラー小説の大家、スティーヴン・キングの中編小説『The Body 』で、春夏秋冬をテーマにした四作の中編小説集『恐怖の四季』(Different Seasons)の中に収められている秋の物語。日本では映画にちなんで「スタンド・バイ・ミー」というタイトルがつけられているが、直訳は「死体」。夏休みも終わりに近づいたレイバー・デイの週末、もうすぐティーンエイジャーになろうとする4人の少年たちが「死体探し」に行く冒険を描いている。
映画の序盤、少年の一人バーン(ジェリー・オコンネル)は、兄とその友人が偶然発見した死体について話しているのを盗み聞きする。それはブルーベリー摘みに出たきり行方不明になっていた地元の少年レイ・ブラウワーの遺体だった。バーンの兄と友人は盗んだ車を走らせているときに死体を発見したため、警察に車のことをあれこれ聞かれるのを恐れ、通報せずにダンマリを決め込むことにする。
そこでバーンは仲良しのゴーディ(ウィル・ウィートン)、クリス(リヴァー・フェニックス)、テディ(コリー・フェニックス)の3人に死体探しに行くことを提案するのだ。
親には「友達の家の裏庭でキャンプをする」と嘘をつき、少年たちは自分たちが地元のヒーローになることを夢見て軽装のまま死体探しの冒険に出かける。幼さからくる無知と無邪気さに裏打ちされた勇気で大胆になった4人は数々の困難にぶち当たりながらもそれを潜り抜け、絆を深めていく。
ここに登場する4人の少年たちはほとんどの子供がそうであるように自分たちがいかに幼いかをまだよく理解していない。この頃の友情が永遠に続くものではないこともまだ知らずにいる。それでも、この冒険によって新たな絆で結ばれ、大人になっても忘れないことを学んでいくのだ。
このセリフはその冒険のきっかけになる重要なセリフ。
スティーブン・キングの小説は数多く映画化されているが、『スタンド・バイ・ミー』はその中でも傑作の一つだ。もちろん、キングらしいホラー味もしっかりある。キングの原作がそうであるように、青春と友だちとの絆をよく捉えていて、何度も見返したくなる映画の一つである。
『スタンド・バイ・ミー』
Stand by Me (1986)
監督:ロブ・ライナー
脚本:ブルース・A・エヴァンス、レイノルド・ギデオン
原作:「スタンド・バイ・ミー」The Body by スティーヴン・キング
製作:ブルース・A・エヴァンス、アンドリュー・シェインマン
撮影:トーマス・デル・ルース
主題歌:「スタンド・バイ・ミー」by Ben E King
出演:ウィル・ウィートン、リヴァー・フェニックス、ジェリー・オコンネル、コリー・フェルドマン、キーファー・サザーランド、リチャード・ドレイファス
US公開日:1986年8月22日
日本公開日:1987年4月18日
Top Image: Stand by Me © 1986 Columbia Pictures

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