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Terminator Salvation『ターミネーター4』|Film Review

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Terminator Salvation Poster

「もう一度映画館の大画面で見たい!」

そう思わせる映像がこの『ターミネーター4』(Terminator Salvation)には隠されている。

それは映画の序盤に登場する、ストーリーの進行にはまったく関係のないあるカット。

スカイネットから核攻撃を受けた審判の日到来後の西暦2018年。
審判の日を生き延びたレジスタンス達の中にブルース・ウェイン、もとい、ジョン・コナー(クリスチャン・ベール)の姿がある。

『ターミネーター2』(Terminator 2: Judgment Day)からこっち、エドワード・ファーロング(Edward Furlong)、ニック・スタール(Nick Stahl)、クリスチャン・ベール(Christian Bale)という具合に、知名度的にも演技力的にも成長を遂げた俳優が演じるジョン・コナーが、仲間とともにあるスカイネットの地下施設を攻撃する。

そこで敵は人間を捕獲して何やら実験をしている。どうやらT-800ことアーノルド・シュワルツェネッガー型ターミネーターを開発しようとしている様子。

その事実に驚愕しながらも地上にいる見張り役の仲間の様子を見に行ったジョン・コナーは、T-600型の(つまりはシュワルツェネッガーの「皮」をかぶってない)ターミネーターの奇襲を受け、1人ヘリコプターに乗り込む。

と、カメラが後部座席からジョン・コナーをとらえる。

ほんの数秒のそのワンカット。

それを見た途端、「ああ、この映画がこの後どうなろうと構わない。これで大満足だ!」と目も心も奪われてしまったのだ。

前作『ターミネーター3』(Terminator 3: Rise of the Machines)が期待はずれだったせいで、この映画への期待値を下げていたぶん、合格ラインがぐんと下がっていたのかもしれない。

ひょっとして、ゲームを良くやる人ならばこんな映像は見慣れているのかもしれない。

だが、ゲームと言えばインベーダーゲームとテトリスにしか馴染みがなく、スーパーマリオの最初の画面すらクリアできないわたしは、このカットに「こういう絵があってこそ映画だ!」と興奮して思わず座席からスクリーンの方に身を乗り出したのである。

いまどきのCG技術を持ってすれば、どんな絵だってスクリーン上で見せることができる。

ウルトラマンの背中のジッパーを消すなんてアッと言う間。

マンハッタンのビルを壊してまわる見たことも無い怪物も、しゃべるモアイ像も、滝から真っ逆さまに落ちる船も、ホウキにまたがって空を飛ぶ眼鏡の少年も、全てCGで見せられるのだ。

だが、なんだってできる、なんでも見せられるCG技術があるからこそ、実際にカメラワークを工夫しただけで魅せるこんな映像を見た時、ハッと驚いて「映画館で見て良かった!」と思うのだ。

映画は映像で語ってこそ映画。映像で見るものの感情を揺さぶってこそ映画。

ナレーションや台詞に頼ってストーリーや状況を説明する映画にはげんなりしてしまう。ここのところそんな映画ばかりを立て続けに見てしまったせいで、すっかり意気消沈していたのだ。

そこにT4のこのお宝映像。

トレーラーでは早々にサム・ワーシントン(Sam Worthington)演じるマーカス・ライトが半機械人間だということを見せられ、そんな大切なことを知ってしまったら映画の面白さが半減するのではないかと心配したが、その心配は無用に終わった。

マーカスの相手役のムーン・ブラッドグッド(Moon Bloodgood)演じるブレアも格好良かったし、映画を見てからあれこれ反すうするネタはつきない。

特に、クリスチャン・ベイルが演じるキャラクターが、必ず「ジョン・コナー」ってフルネームで呼ばれるところにはツッコミを入れたくなる。

ベイルは新『バットマン』(Batman)シリーズのブルース・ウェインのイメージが強い上に、バットモービルのバイクバージョンにそっくりなオートバイも出てくるのだ。観客に時々「おい、ブルース・ウェインと間違うなよ。これはジョン・コナーだからな!」と念を押したくなるのも仕方がない。

おまけに、『宇宙戦争』(War of the Worlds)のマシーンのような人間採集箱マシーンも登場するのだ。中には「あれ? ちょっと待てよ? この映画『ターミネーター』だよね?」と思う観客もいるはずだ。

なんせ、映画の主役は、サラ・コナーでもジョン・コナーでもシュワちゃん型ターミネーターでもなければ、ジョン・コナーの父、カイル・リースでもない。先に書いた半機械人間のマーカス・ライトが今回の主役で、他の人たちは皆さん全て脇役なのだ。

前作でクレア・デインズ(Claire Danes)が演じたコナーの未来の妻(なので本作では既に妻?)は、今回はブライス・ダラス・ハワード(Bryce Dallas Howard)が演じているのだが、ただ単に「この映画は3の続編です」と言いたいがためだけにそこに居るかのようだし、ジョン・コナーの父ちゃんになるまだニキビに悩んでそうなお年頃のアントン・イェルチン(Anton Yelchin)演じるカイル・リースも、こいつが鍵なんだからもう少し書き込んでやれよと突っ込みたくなるくらい少々おざなりに描かれている。

一応キャラクター的にはつながっているし、ターミネーターシリーズのお約束で、シュワルツネッガー(Arnold Schwarzenegger)はスッポンポンで登場するし、過去からやって来た半機械人間のマーカスも、タイムトラベルしていないにも関わらず、対抗意識かスッポンポンで登場するし、よく知っているシリーズの「続編」を観ているというよりは「外伝」を観ているような気分になる。

でもそこはサマームービー。暑いので、あまり深く考えてはいけないというのもお約束。

『ターミネーター』っぽくないとか、「主役が違う」とかそういう細かいところには頓着せず、「ダダン、ダン、ダダン!」というあの音楽に身を任せて、大画面でお宝映像を拝んで大喜びするのが正しい見方なのである。

Terminator Salvation
『ターミネーター4』
監督:マックG
製作:デレク・アンダーソン、ヴィクター・キュビチェク、ジェフリー・シルヴァー、モリッツ・ボーマン
脚本:ジョン・ブランケート、マイケル・フェリ
キャラクター:ジェイムズ・キャメロン、ゲイル・アン・ハード
出演:クリスチャン・ベイル、サム・ワーシントン、アントン・イェルチン、ムーン・ブラッドグッド、ブライス・ダラス・ハワード、コモン、ジェイダグレイス・ベリー、ヘレナ・ボナム・カーター
音楽:ダニー・エルフマン
撮影:シェーン・ハールバット
編集:コンラッド・バフ
配給: Warner Bros.(US/Canada), Columbia Pictures (International)
US公開日:2009年5月21
日本公開日:2009年6月13日

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