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Three Days of Rain | Theatre Review

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ジュリア・ロバーツのブロードウェイ・デビュー!

「生ジュリア・ロバーツが目の前にいる!」

満員の劇場に座っている観客たちはみんな、目の前の舞台に立つジュリア・ロバーツを見てきっとこう考えたに違いない。いや、ひょっとしたら、それしか考えられなかったかもしれない。

なんせ、ジュリア・ロバーツ級の大スターがブロードウェイの舞台に立つなんてことは滅多にない。しかも、産休後の仕事復帰第一弾として選んだのが映画ではなくニューヨークの舞台で、これがブロードウェイ・デビューなのだ。巷が大騒ぎになるのも無理はない。

そのジュリア・ロバーツ(と、必ずフルネームで言ってしまうほどの大スター)がブロードウェイデビューに選んだ作品は、リチャード・グリーンバーグの三人芝居『Three Days of Rain』。1998年のピューリッツァー賞戯曲部門のファイナリストにもなった作品である。

「三日間の雨」というタイトルから、きっと暗いお話なのだろう、だからジュリア・ロバーツの太陽のような明るさが必要なのだろう、と勝手に思っていたところ、その予想はものの見事に外れてしまった。

というのも、この芝居では、ジュリア・ロバーツのあの「太陽のような明るさ」は全く拝めなかったからだ。

Bradley Cooper and Julia Roberts in Three Days of Rain (Photo by Joan Marcus)

この芝居は二幕構成になっているのだが、一幕目ではナンとウォーカーという姉弟と、二人の幼なじみのピップの関係を描き、二幕目では彼らの親たち、ライナ、ネッド、テオの関係を描く。そして、出演する三人の役者は一幕目と二幕目で、それぞれ子とその親を演じるという仕掛けだ。

一幕目の舞台は1995年のニューヨーク。

根無草のウォーカー(ポール・ラッド)は1年間も行方をくらまし、著名な建築家だった父親ネッド・ジェインウェイの葬式にも出席していない。だが、ロングアイランドの祖父母の家であり、父親の代表作でもある「ジェインウェイ・ハウス」を姉ナン(ジュリア・ロバーツ)と相続したら、そこで人生をやり直そうと勝手に夢見ていた。

ところが、蓋を開けてみると、その家を相続するのはウォーカーでもナンでもなく、幼なじみのピップ。

ピップ(ブラッドリー・クーパー)は父ネッドのかつての仕事上のパートナー、テオ・ウェクスラーの息子で、今はテレビのソープオペラのスター。父ネッドがその家をピップに遺したことにショックを受けたウォーカーは、発見した父親の日記に、自分たち親子の冷えた関係の謎を解く鍵があるのではないかと期待する。

しかし、父親の日記はあまりにも簡潔で、感情をほとんど見せなかった両親への恨みはむしろ深まるばかり。さらに「三日間の雨」という謎めいた記述まで出てくる。

そして二幕目。時代は1960年の同じくニューヨークへと遡る。

ポール・ラッドはネッドへ、ブラッドリー・クーパーはピップの父テオへ、そしてジュリア・ロバーツはナンとウォーカーの母親ライナになる。

一幕目ではわからなかった親たちの関係や、ジェインウェイ・ハウスをめぐる謎、そして「三日間の雨」の秘密が、3人の姿を通して少しずつ明らかになっていくのだ。

芝居そのものは、子が親のことをどれくらい知っているかというお話だ。一幕目の子どもたちは、親が残したものを手がかりにして親たちの人生を想像する。そして二幕目で、観客がその「答え」を見ることになる。そして、「なるほど、そういうことだったのか!」となるのだが……。

なんだかどうにも物足りない。なんというか、期待外れなのである。

ポール・ラッドはウォーカーを好演している。神経質で、自分を守るために相手を攻撃するが、まるで子どもが見せるような激しさがあるので、どうも憎めない。

また、ブラッドリー・クーパーも、ソープ・オペラのスターらしい陽気な明るさを見せて好感が持てる。

だが、どうにもこうにもジュリア・ロバーツが地味なのだ。

ジュリア・ロバーツのイメージといえば、あの大きな口から笑い声をふんだんに発射できる、威勢が良くて勝ち気、でも実は繊細、という女性。そんな役をやらせたら、スクリーンの中で太陽のようにキラキラ輝いて観客を魅了する。ところが、この芝居では地味この上ない。

一幕目のナンは、気まぐれで、自分を守るために周囲を振り回す弟ウォーカーの面倒を見ることに疲れ果てた、ちょっと暗くて過保護な姉を演じるが、動きの固さも手伝って、その地味度はまるで葬儀屋の白菊。綺麗だが、惹かれない。

二幕目では、生命力にあふれた南部の令嬢ライナを演じるので、マグノリアの可憐さは出てくるものの、野暮ったいパンタロン姿のせいか、いつものジュリア・ロバーツの華やかさが影をひそめている。

どちらも地味なもんだから、二幕目に雨が三日間も降り続くのを見て、「お前のせいだぞ」と言いたくなるくらいだ。

Paul Rudd and Bradley Cooper in Three Days of Rain (Photo by Joan Marcus)

だが実は、この作品で何よりも輝いているものが他にあった。舞台美術(サント・ロカスト)と照明(ポール・ギャロ)、そして作品のタイトルにもなっている雨である。

ブロードウェイのストレートプレイを観ていつも驚かされるのは、舞台美術と照明の美しさなのだが、この『Three Days of Rain』もその期待を裏切らない。

ここでは物語の鍵となる家の象徴となり、重要なエピソードにも登場する「ガラス」と「光」が効果的に使われ、物語とセット、照明がシンクロしていく様子が素晴らしい(演出はジョー・マンテロ)。

そして、舞台上に降る土砂降りの雨!

タイトルどおり、三日間の雨が物語の中で重要な役割を果たすのだが、これが実際に舞台上で降る。しかも、この雨が美しいのだ。

大スター、ジュリア・ロバーツの「太陽の光」を期待して劇場にやってきた観客に与えられたのは、結局この美しい雨だった、というわけだ。

とはいえ、腐っても鯛。雨が降ってもジュリア・ロバーツはジュリア・ロバーツ。

カーテンコールで舞台に出てきたジュリア・ロバーツは文字通り、長雨の後の太陽のように清々しい輝きを放っていた。生でその満面の笑顔を見て大満足し、劇場を出ようとしていたところ、後ろを歩いていた年配の観客が「話がよくわからなかった」とつぶやいた。すると、彼女のお連れ様がすかさずこう指摘した。

「そんなことはどうでもいいのよ! 私たちはジュリア・ロバーツを観に来たんだから!」

いや、ほんと、おっしゃるとおりです。

Three Days of Rain
Jacobs Theatre
242 West 45th Street (between Broadway and 8th Avenue), New York, NY, USA, 10036
上演時間:2時間20分(インターミッション含む)
プレビュー開始:2006年3月28日
オープン:2006年4月19日
クローズ:2006年6月18日

By: Richard Greenberg
Director: Joe Mantello
Producers: Marc Platt, David Stone, and The Shubert Organization
Scenic and costume design by Santo Loquasto
Lighting design by Paul Gallo
Sound design by David Van Tieghem
Cast: Julia Roberts (Nan and Lina), Paul Rudd (Walker and Ned), and Bradley Cooper (Pip and Theo)

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